TOPページ >更新履歴 >地下に眠っていた秀吉の大坂城石垣を再発掘しました
大阪市教育委員会・大阪市経済戦略局と公益財団法人大阪市博物館協会大阪文化財研究所は、
平成25年7月上旬から実施してきた特別史跡大坂城跡の発掘調査の成果を広く市民に紹介するために、
平成26年3月7日(金)より9日(日)までの3日間、発掘調査の現場を一般公開します。
今回の発掘調査では、昭和59(1984)年に見つかった豊臣期大坂城の詰ノ丸石垣を再発掘しました。
豊臣秀吉が築いた大坂城は、大坂夏ノ陣ののち徳川幕府による大坂城再築の際、完全に地中に埋められました。
30年ぶりに姿を現した石垣をぜひご覧ください。
【 記 】
日 付 : 平成26年3月7日(金)〜3月9日(日) 終了いたしました。
時 間 : 10時〜16時
※小雨決行(開催時間までに大阪府下に暴風または
大雨警報が発令された場合は中止とします。)
内 容 : 調査成果の解説および出土遺物の展示
あわせて出土遺物・写真パネルを展示します。
3月9日(日)11時〜15時の間は、江戸時代の町人に扮した
パフォーマーによる説明を行います。
参加費 : 無料
会 場 : 大坂城跡発掘現場
(大阪市中央区 大阪城公園内天守閣東南、金蔵の東側)
・地下鉄谷町線 天満橋駅から南東へ約700m
・地下鉄長堀鶴見緑地線
大阪ビジネスパーク駅から南西へ約500m
・JR大阪環状線 大阪城公園駅から西へ約500m
調査の概要
調査地は、特別史跡大坂城跡の本丸東部に位置します。
この地域は、豊臣期大坂城の時期には天守や奥御殿など豊臣家の私的空間であった詰ノ丸南端、 およびそこから一段低くなった中ノ段にあたります(図1・2)。
また、徳川期大坂城においては天守台の南東約100mの位置にあり、18世紀中頃には現存する金蔵(重要文化財)が建てられました。
今回の発掘調査は、昭和59(1984)年に見つかった豊臣期詰ノ丸の石垣を再発掘して公開するという豊臣石垣公開プロジェクト
※に先立ち、公開予定の石垣の保存状態や周辺に残された遺構の状況を把握するため、昨年7月から実施しています。
なお、石垣は保存状況等を確認した後、公開施設の整備に向けて適正な保存管理を行うため、調査終了後に再度埋め戻します。
※豊臣石垣公開プロジェクト
大阪市では、大阪城の歴史を物語る新たな魅力を創出するため、大坂夏ノ陣から400年を機に、豊臣秀吉が築いた初代大坂城の石垣を掘り起こし、
公開する展示施設を計画しており、2月21日の報道発表において完成予想図を公表しています。
(http://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/keizaisenryaku/0000254519.html)
調査の成果
・豊臣期
大坂夏ノ陣(1615年)後に行われた徳川氏による大坂城再築によって、豊臣期の大坂城は完全に地中に埋められました。
今回の発掘調査では、この時の厚さ7mもの盛土を掘り下げて、
詰ノ丸の南東隅にあたる石垣を昭和59(1984)年以来30年ぶりに再発掘しました(写真1・2)。
石垣は自然石を多用した野面積みと呼ばれる古い技術で築かれていました。
石垣のコーナー部分は直方体の
大きな石を選び、それを交互に組んだ算木積みと呼ばれる手法の初源的な形を示しています(写真3)。
また、積み上げられた石には建物の礎石や石臼なども利用されていました。
こうした石垣の姿は、現在私たちが目にしている徳川期大坂城の石垣とは大きく異なります。
・徳川期
調査地のすぐ西には18世紀中頃に建設された金蔵(重要文化財)が現存しています。
寛政5(1793)年の『大坂城絵図』には、
この金蔵の東側に区画施設とみられる線描きがあります(図3)。
発掘調査では、この区画施設に相当する南北方向の石列と石組み溝が見つかりました。
石列の上には塀が設けられていたようで、東側の石組み溝はこの塀に伴うものとみられます。
この成果は昨年9月に現地公開を実施しましたが、現在は引き続き、その南側を拡張して調査を行っています。
図1 豊臣期大坂城(本丸)と今回調査地
(宮上茂隆「秀吉築造大坂城本丸の復元」『季刊大林』16 1983 をもとに作図)
図2 豊臣期大坂城本丸復元イメージ
(「秀吉築造大坂城本丸復元鳥瞰図」
復元考証:宮上茂隆 資料提供:竹林舎建築研究所 をもとに作図)
図3 徳川期大坂城と今回調査地
(大阪城天守閣蔵「大坂城絵図」寛政5年 をもとに作図)
写真1 調査地と豊臣期大坂城の詰ノ丸石垣(東から)
写真2 再発掘した豊臣期大坂城の詰ノ丸石垣(東から)
(一般公開は地上からになります)
写真3 再発掘した豊臣期大坂城の詰ノ丸石垣(南東から)
(一般公開は地上からになります)
【 問合せ先 】
(公財)大阪市博物館協会大阪文化財研究所
大坂城跡発掘現場事務所 担当:高橋 (TEL:090-2386-7682)
【 主 催 】
大阪市教育委員会・大阪市経済戦略局・大阪文化財研究所